カテゴリー: つぶやき

Kunikoさんへの手紙 18 あなたは動かなくなった

夜になってもあなたは横になったまま
起きられなかった
お医者さんがこめかみを押したりすると
「あ~、気持ちいいです。痛みが楽になります。」
と言っていた 誰か 人が他にも来ていた
誰かが「まだ来ないの?!」と少し苛立っていた
父のことらしい
仕事がまだ終わらないのだそうだという声が聞こえた
なんだか切迫した空気
だけどわたしはいつのまにか眠ってしまった
翌朝
目が醒めたら、何人かの大人がきていたようだった
あなたには白い布が顔にかぶさっていた
わたしはあなたがふざけてるんだと思ったから
すぐにそれをどけたのに、まだ眠ったふりをしてる
いつものようにからかって大笑いするつもりね
あなたの口の端っこをくすくす笑いながら引っ張った
そしたらそれに気がついた父が制した
わたしは何を言われたのか覚えていない
あなたの口は
力無く冷たいよだれが頬を伝って流れていった
口は閉じずに 引っ張ったままの形になってる
ぞくっとした
閉じた目をわたしは
無理やり人差し指と親指でこじ開けた
目を覚まして!という気持ちで
開いた目に白目の隅にどんよりとした黒目が沈んでいる
あわてて父が近くまできて白い布をあなたの顔にかけた
何故?
あなたは 起きなかった
あなたは声を出さなかった
あなたは動かなくなった

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