カテゴリー: poem

『義務の部屋』


「義務の部屋」
今は雨
はるかの空から雨粒が落ちる
私は傘をさしているから
雨粒は
傘にあたって
ぶつぶつと言う
この足は 行きたくもないあの家へ
まるで指名されるかのように
ただ あの部屋へ向かって行く
はるかの空から 見える眺めは
やっぱり はるかの地上なのだろうか
傘にあたる雨粒は
時には大声でどなっている
何も返す言葉はなく
ただ この足はあの部屋へ
時計の音で満ちている
机と椅子とあとはごたごた
誰も待っている人はなく
あざわらう人形たちが
私をあの部屋で待っている
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