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蟲師 ─ 漆原友紀

蟲師(1)
ここでの蟲とは動物でも植物でもない、
微生物や菌類とも違う、
もっと命の原生体に近いモノ達。
それらを総じて「蟲」と呼ぶ。

それらは形や存在が曖昧で、
ヒトと蟲とが重なる時、人智を超えた妖しき現象が生まれ、
ヒトは初めてその存在を知る。

生命とは、他をおびやかすために在るのではない。
ただ、それぞれが在るように在るだけ──

こうした「蟲」とヒトとをつなぐ「蟲師」である
主人公ギンコが、旅の途中で様々な人々と、
それに関わる蟲達に出会ってゆく。

一話ごとに登場人物が異なる読みきり絵巻。
蟲師 公式ページあらすじより

この漫画の魅力は「静」 静けさ
読んでいてずっと静かな
まるで自分の身体の中の音を聴いているかのような
静けさの世界の中にすっぽりと入って ほっとする

そして一話一話があたたかく優しく切ない
字数も多くなく、読者の想像力をかきたてながら話は進んでいく
想像していかなければ話の中には入ることができない

その世界は 私たちの日常を超えた作者の「蟲」の世界
それでいて懐かしい感覚が呼び覚まされるようだ

こちらでは見ることができないのですが
アニメ化されているそうです

一冊につき5つほどの話の読みきりで、 
そのアニメも一話ごとに作られて一話ごとに曲が作曲され、
とても丁寧に作られているとのこと

ずっと後世にまで伝えられるような
傑作漫画が今作られてるのかもしれない

どんなに脚本がよくても、きちんと作られていず、
はしょられてアニメ化される作品はとてもがっかりします
(最近では映画 「ハウルの動く城」がそれ)

DVDも出てるようだけど、
是非こちらでもTV放映してほしいなぁ

作者の漆原友紀さんは、
一巻の中に「蟲」についてのアイデアを
「妖怪」や「霊」のジレンマとして発生させたと書いています


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私は妖怪や霊は完全には(今のところ)信じていないのだけど、
とても「いてほしい」と思っています。
(なので身近な人の信用できる怪異談はとても嬉しい)
「蟲」ってのは、その辺のジレンマから生じた、
「妖怪」の形でもあります。

それにしてもちょっと前までは「妖怪」が
すぐ側にいたんだなぁ。
ちょっと羨ましい。(作者談)
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例えば この一巻の中の「瞼の光」
一度目を閉じてまだチカチカするものが
目の中に動いているのは
瞼の裏を見ていて本当は閉じていない
そのチカチカを見ている目玉をもう一度閉じると
上の方から本当の暗闇が降りてくる・・

これはなんとも懐かしい感覚ですネ
よく子供の頃このような遊びを
布団を被ってやっておりました

チカチカした幾何学模様のような不思議な形
(瞼の裏の残像だとも言われてるケド)
追いかけると逃げていくので、その形を真ん中に置きながら
視野をちょっとずらすのはコツがいりました
金色に光っていて立体的な形
複雑な形を見ているとやがてぐるりと廻ったりします

その形を見るのに飽きたら 
その形を追いかければ逃げてく

すぐに次の形がやってくるので
(視野の端っこにいるので)その形をまた眺める 
追いかけ続ければどんどん金色の幾何学模様は
幾つも幾つも流れていく

幾つかの形を漂わせながら視点をずらして眺めて遊んだり。。
意識すれば真昼間に目を開けたまま
この光の網目模様を見ることもできますね
(別に普段の生活に必要ではないのでそんなことはしないケド)

本当は真っ暗な状態を楽しみたくて
最初はその模様の形が邪魔で
追い払う努力ばかりしていました

この漫画の話では、そのチカチカを見ている目玉を
もう一度閉じる
そう、この模様の形を追い払うためには
目玉をぐぐっと下にやると真っ暗闇になるのです
(気を抜くとすぐにまたチカチカがやってくる)

こういう感じのことかな、なんて思いつつ読んでいくと、
その暗闇の底に光の川が流れている 
そんな世界が出現して、読んでいて息を呑む

地上の光とは異質のもので近くで見ると目に毒の蟲の光
ふたつめの瞼を長く閉じ過ぎると闇に目玉が喰われる
闇を通して繁殖する “マナコノヤミムシ”

目に寄生した“マナコノヤミムシ”は
月の光で誘われて出てくる
その方法は月の光を浴びながら
ふたつめの瞼を閉じたまま目をゆっくりと開ける

今日は満月

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