カテゴリー: book

『アジアに落ちる』 杉山明

上海の阿片窟、チベットの鳥葬、LSDセッション、ブッダの4大聖地、
ヴァラナシの火葬場、インド最大の聖者たちの祭、前世を覚えている少女、
カースト制度と暴力、バンコックの殺人鬼と奇形博物館…。
鮮やかな生と死が交錯するアジアから戻ったオレを迎えてくれたのは、
バラバラに崩れた神戸の町だった―。
アジアの「生と死」を見つめる魂の放浪記。
via 名古屋「ザ写楽」ライブ|New 天の邪鬼日記

この本読んで、ヒトコトであらわすと「体当たり」って言葉が浮かんだ。
アキラ氏が体当たりして書き込まれた言葉と思いがぎっしり詰まった本だと思った。
最後に書かれたエピローグがすっと真っ直ぐ響いてきた。
この部分でやっと、アキラさんの素の顔が見えたような気がした。

それまでは読みにくかった。

本文にはあまりに多くの物事や思いやメッセージがありすぎて、
まるで曼荼羅を眺めてるようで凄いんだけど
気のせいかもしれないしすっと読めないせいか、
アキラさんは何か鎧をまとってるように感じられた。

最後のエピローグでやっと
リラックスしたアキラさんの笑顔に触れたような感触だった。
それは暖かい。心底ほっとしてこちらもリラックスした。

それまではこの本は、なかなか前に読み進めない本だった。

そのシーンを想像しその気持ちを想像しようとしてとても疲れて
休み休み読んで途中でぱったり放置状態にしたのを思い出して
ようやく最後まで読むことができた。

なんだかそうやって軽く一年は過ぎた気がする。

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メモ

「宗教は麻薬だ」とマルクスは言った。
その共産主義もまた、麻薬だった。
“群れ”はもはや人間じゃない。凶暴な怪物だ。
個人的な犯罪者に殺された犠牲者の数なんて、
宗教やイデオロギーによって大量殺戮された犠牲者の数の足元にも及ばないんだぜ。
忠誠、献身、団結、正義、優越、ありとあらゆる美徳が人間を盲目にする。
集団は感情を煽り、知性を麻痺させる。
神格化された権威への服従、所属、自己放棄がどんなに甘美でも、
他者を排除してはいけない。
自分自身が崩れ落ちるギリギリまで、知覚の扉を開き続けるんだ。

ブッダが何を悟ったか。それは相対性理論。
『縁起の理法』は量子力学そのもの。
すべてのものには実体がなく、お互いの関係でしか存在しないこと。
「自己とか自我って信じこんでるものって、出会いの集合体なのよ。」

運命が全部決まっているなんて信じないけど、
出会いは用意されているのかもしれない。
人は欠落した何かを埋め合わせるように出会う。
パズルの断片をそれぞれが持ち寄って、
ひとつのヴィジョンを完成させるためだ。

エピローグから

群れからはぐれても、レールから脱線しても、だいじょうぶ。
人生の豊かさを計る物差しは、「命の残高」じゃなく、
永遠に増えつづける「出会い貯金」だから。

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