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『放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響』 まとめメモ

バンダジェフスキー氏の本のまとめメモ 
その前に つい先日来日された講演会の映像があるのでここに。

バンダジェフスキー(元ゴメリ大学長)会見〜内部被ばくに警鐘

 

私の持っている考え方というのは、
1990年代にゴメリで私が学長を務めました医科大学で、
私と私の同僚がやった研究の結果、でき上がった考え方であります。
ゴメリに住んでいる人々の健康について詳しく研究しました。

今回はいろんな場所で講演をさせていただきました。
「いかにこういう状況の中で健康を守るのか」という事についてお話しをさせていただいたのですが、
総計で大体3500人以上の方が来られたと思います。
私の話を聞いて、何らかのためになる情報を得て下さったものと思っています。
こういう情報を持って、どのように今後行動していかなければならないのか、
そして今後どうしたらいいのか正しい決定をする一つのいちじょうになったのではないかと思っています。
このような状況では私は国、そしてそこで働く議員のみなさんが
しっかりとした事実を認識する必要があると思っています。
私はチェルノブイリの事故の後、人々の健康を守るという仕事の中でそれを感じました。

講演書き起こし全文 
解剖でセシウムが心臓に蓄積する事を証明したユーリ・バンダジェフスキー博士会見3/18
(動画・内容書き出し) – みんな楽しくHappy♡がいい♪
“2011年3月11日。その後私は変わりました。”

⑧福島第一原発の事故は、彼の考えではチェルノブイリよりも広範囲ではないが、深刻度において、さらに問題が大きいという認識があること。福島県内の汚染程度が酷いこと。チェルノブイリは汚染が農村地帯が多かったが、今回は東京のような大都市にまで酷い汚染の地域があって、深刻度が桁違いとなる可能性があること。ゴメリの汚染と江戸川区の汚染にあまり差がないこと。また、セシウム以外のほかの核種の影響も甚大であること(これが未解明なこと)。

⑨死者の増加は、キエフでも顕著に増えていて、さらに高濃度のエリアでは、かなりの勢いで増えていること。ゴメリなど。これは、今回の福島第一原発事故によってもおきる可能性が高いこと。それを考えた場合、福島は当然のこととして、宮城や東京、関東の汚染エリアから移住できる人は移住したほうが良いこと。子供、妊婦、妊娠可能な女性は優先。
via バンダジェフスキー博士の来日講演と対話から、僕が大切と思ったこと。
– 放射能防御プロジェクト 木下黄太のブログ  「福島第一原発を考えます」

— 放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響 まとめ — 

放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ [単行本]
ユーリ・バンダジェフスキー (著)
4772610472

第一章 人体および実験動物の体内への
放射性セシウムの取り込みの経路、および影響因子

【蓄積】
男性 > 女性
*妊娠中の母体は高くなるが、胎盤が防御壁になるが
セシウムが含まれる母乳から蓄積する
血液型RH+ >RH-

【薬剤】
有望な腸内吸着剤 ペクトパル

【異常の兆候】
もっとも分化した細胞に最初に現れる

第二章 放射性セシウムの体内への取り込みが引き起こす
基本的な病変とその形成機序
 
臨床調査と動物実験の研究から

1.心血管系 

   心筋代謝の変化 – アルカリフォスファターゼやクレアチンフォスファターゼのような酵素活性が抑制される →心筋収縮異常
   心電図異常 蓄積 → 高血圧
   血清中の基礎的代謝 AST濃度&クレアチニン値 上昇
   ・放射性セシウム平均濃度 40~60Bq/kg の場合
   心筋細胞に明確な損傷が認められ 規則的収縮ができなくなる 
   ・放射性セシウム平均濃度 900~1000Bq/kg
 実験動物の40%以上が死亡
   大部分の細胞が破壊され、繊維間や細胞内に浮腫発生。
   心外膜や心嚢に炎症性細胞浸潤
2. 腎臓

   放射性セシウムの排泄のための主要な器官であり、最初に破壊に直面。  
 
3. 肝臓

   深刻な構造変異と代謝異常
   放射性セシウムの体内取り込みに加えて、飲酒の習慣があると
   重篤な肝臓破壊、重度の脂肪肝や肝硬変に移行。

4. 免疫系

   結核、ウィルス性肝炎、急性呼吸器疾患などの感染性疾患増加
   牛乳のタンパク質へのアレルギーの陽性反応(例:ゴメリの児童の半数)

5. 造血系

   大赤血球症、白血球リンパ球減少症をまれに伴う赤血球減少、
   好中球と好酸球の量的質的変異
   赤血球、白血球の減少、リンパ球数の相対的増大、
   血小板数の絶対数減少

   子どもたちの研究結果から、体内セシウム137濃度の上昇につれて
   赤血球数が減少し、ヘモグロビン濃度が高くなった。

   外部被曝と内部被曝により造血細胞の増殖能低下が明らか。
   (鉄の飽和過程には影響しない)
  
   血小板の増減は、子どもの造血系にとって好ましくない状態

6.女性の生殖系

   電離放射線の影響を受けやすい
   卵巣機能と月経異常 
   とくに被曝の初期段階で高い感受性を有する
   プロゲステロンとエストラジオールの濃度が変化
   子宮付属器の炎症、月経周期異常、子宮筋腫、
   不妊症、テストステロン増加による男性の性的特徴出現など。
   下垂体ー卵巣ー子宮系の機能に顕著な変化、性機能の不調
   副腎、甲状腺の病変。

7. 妊娠の進展と胎児の成長

   セシウム137は主に胎盤に蓄積し、基本的には胎児に侵入しない。
   しかし、胎盤からの複合体の機能が決定的な悪影響を受ける。
   母体も胎児もホルモンバランスが崩れ、胎児にセシウムが取り込まれると先天性欠損がみられる。
   神経系先天性奇形(無脳症、脳瘤)はセシウム137の胎盤濃度が高かった。出生前死亡や出産前後の死亡に影響。

8. 神経系

   放射線の影響を最初に受ける器官系のひとつ。
   興奮性神経伝達物質(アスパラギン酸、グルタミン酸)や
   抑制性の神経伝達物質(ガンマアミノ酪酸GAVA、グリシン)
   など不均衡。
   大脳半球で、ノルエピネプリンとセロトニンの低下がみられる。
   自立神経系異常
   セシウム137の体内濃度100Bk/kg以上になると、
   交感神経緊張症になる子どもが増加。
   器質的精神疾患とうつ病の増加
   ストレスからくる症状と主張されるいわゆる「放射線恐怖症」は
   セシウムによる神経系組織の影響が真の病因。

9. 視覚器官

   外部被曝、内部被曝どちらにも非常に敏感な器官。
   白内障、硝子体の損傷、眼筋無力症、屈折異常が多くみられる。

10. 長寿命放射性元素の体内取り込み症候群

   細胞成長の歪曲、
   エネルギー過程の歪みを伴う内臓器官(心臓、肝臓、腎臓)の異常。
   異常の程度は生体内や臓器内のセシウム137濃度が多いほど高度。
   
   特に、細胞の増殖がほとんどない臓器や組織(心筋)が
   最大の損傷を受ける→心筋壊死 高血圧症発症
  
   腎機能障害、肝機能障害(ATL,AST増進)

   甲状腺刺激ホルモンの過剰分泌による腫瘍形成
   セシウム137が常に体内に取り込まれると、甲状腺の修復が追いつかず
   細胞の構成要素が免疫系に抗原として認識される事態を引き起こす。
   →自己免疫性甲状腺炎や甲状腺がん発症 

   自然授乳の場合、セシウムは母乳を通して子どもに取り込まれ
   母体はきれいになるが子どもが汚染され重大な悪影響を受ける。
   
   造血系ー正色素性貧血
   脳ー自立神経機能異常
   子どもの臓器ー20Bk/kg以上で心筋代謝異常、
        50Bk/kg以上で病理的変化が現れる。

これらの病状は、ニコチン、アルコール、衰弱、感染病原が伴うと悪化する。

第3章 放射性セシウムの人体への長期的な取り込みがもたらす帰結

放射性セシウムによる心筋細胞の病理過程を、
心筋の解剖検査が実施されてないために予測するのが困難となっている。

ゴメリ州での突然死の組織細胞の調査では、血管壁の抗血栓活性を減弱。
血小板、凝固・線溶系活性促進など血液凝固過程の亢進させる。
腎障害により、セシウムは体内に滞留。

1960年代、スカンジナビア諸国では、食料品中の放射性セシウム濃度を厳しく管理した結果、心血管疾患の症例数が急減した。
同じく、悪性腫瘍疾患にもいえる。

例:【ベラルーシ】 1976年→1995年
  腎臓悪性新生物 男性4倍 女性2.8倍以上
  膀胱悪性新生物 男性2倍以上 女性1.9倍以上
  直腸悪性新生物 男性2.1倍以上 女性1.4倍以上
  肺悪性新生物  男性2倍以上 
  甲状腺悪性新生物 男性3.4倍以上 女性5.6倍以上
  結腸悪性新生物 男女で2.1倍以上
          1987年~1997年
  腎臓がん 2.4倍 甲状腺がん 3.5倍 直腸がん 1.4倍 結腸がん1.6倍
   【ゴメリ州 】
  腎臓がんの症例 男性5倍 女性3.76倍
          1987年~1997年
  腎臓がん 4倍(都市部2.2倍)肺がん1.6倍(都市部1.5倍)

  直腸がん 男性2.1倍 女性1.4倍
  甲状腺がん 男性 5倍 女性 10倍
  
発育不全と先天性欠損の出生、妊娠初期の胎児の死亡率増加

ミンスクの子どもの体内セシウム137濃度は、20Bk/kg以上で、
85%が心電図に病理学的変化が記録されている。
(放射性セシウムの濃度が低くても心筋に代謝異常をもたらす)
  
【腎臓】 
放射線による腎臓の病理変化の特徴
・ネフローゼ症候群を伴わず慢性糸球体腎炎より重症で急性経過
→悪性高血圧症を高頻度に併発
・2、3年のうちに慢性腎不全や脳疾患と心疾患の合併症、高窒素血症を引き起こす
【肝臓】
・脂肪肝
・細胞性免疫機能不全→ウィルス性肝炎の蔓延が懸念される
・高頻度で肝硬変に至る
・汚染地域では 肝不全、肝腫瘍性疾患増加 結核罹患率上昇

第4章 放射性元素の影響から人体を防護する方法

政府がとるべき安全対策と個人による対処

食品の確実な放射線測定
肉のセシウム137濃度は、きれいな資料で食塩を4~6週間毎日家畜に与えれば減少する。
肉を真水に浸してから25%塩水に3ヶ月漬けた後で煮ると、
蓄積されたセシウムの90%を除去できる。
塩水の量は塩漬けする量と同等。

肉と魚は、食塩を加えて煮ると70%程度煮汁に出る。
じゃがいもも45%が煮汁に出る。

きれいな原乳は飲用に使用し、汚染乳は乳工場で
セシウム濃度が減少するバターやチーズに加工すべき。
(汚染地域では好みに応じてサワークリーム、チーズ、バターを生産)

野生のベリーやきのこは汚染地域では食用禁止し人口栽培を拡大すべき。

汚染地域の住民の定期的セシウム測定が必要。

体外除去 ー 腸吸着剤(粘土質を加えたペクチン製剤)で体外排出
代謝機能 ー 免疫賦活剤、ビタミン剤などで調節

結論

放射性セシウムはわずかでも生体の臓器に取り込まれると、
疾患が悪化したり他の疾病と合併症を引き起こす危険性が高くなる。
まず、心筋に取り込まれ深刻な組織病変と代謝変化を引き起こす。
公式の医学はこの事実を完全に無視している。
そのために処置が望ましい効果を得られなかった。
若年層の死亡症例は統計的報告の形しか提出されていない。

体内の放射性セシウムや他の放射性元素に起因する病的変化は、
生体全体で考えるべき。
そうして傷つきやすい臓器や組織が判明し、
正しい診断、治療、予防措置を選択することが可能となる。

被災者の健康状態は災害であり、尽力できる者は
状況改善にベストを尽くせ!
地球上で生命ほど貴重なものはない。
私たちはできる限りのことをして、生命を守り通すべきである。

—- 以上まとめ

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