カテゴリー: musician

天からのおくりものは降ってくる


最近、リンクからリンクに飛んでて見かけた雨宮まみさんの文章が惹きつけた。

40歳がくる!」はこんな文章から始まる。
”「40歳になったら、死のうと思っていた。」桐野夏生『ダーク』の有名な冒頭の一文である。この一文のあと、主人公の女探偵は、自分のこれまでの人生に決着をつける旅に出る。
私の中で漠然と、40歳というものはそういうものだという認識があった。”

彼女は40歳で亡くなっていた。事故らしいけど違うんじゃないかと噂されてる。

彼女の文章をもっと読みたくなって大和書房・WEB連載〜40歳がくる!MOB 雨宮 まみ backnumberに目を通し始めた。
まだ読み終えていないけどこの文章にひっかかった。

”たぶん人生で最大の量を飲んで、帰ってからも私は酔っていた。気持ち良くて音楽を聴いて、ふと「今なら飛び降りられるな」と思った。今のこの感じなら、すっと飛び降りることができる。怖くない。さぁ、Major Lazer & DJ Snake feat.Mφを聴きながら飛ぶか。たぶん飛ぶことすら今は気持ちがいいはずだ。風は生温いし、手すりも冷たくなんかない。
「07 傷口に酒を塗れ!」

こんな気分になって飛びたいと思わせる” Major Lazer & DJ Snake feat.Mφ” ってどんな曲なんだろうって聴いてみた。

Major Lazer & DJ Snake – Lean On (feat. MØ) (Official Music Video)

 

 

なるほど。MØという彼女の声が魅力的でどこの人なのか彼女に興味がいく。
ムー(MØ、[muː]、デンマーク語発音: [mœ])
カレン・マリー・アーガード・エルステッド(Karen Marie Aagaard Ørsted、1988年8月13日 – )デンマーク出身。29歳。
EDM界の歌姫!今話題のポップシンガーMΦ(ムー)に迫る | Hollywood News – ハリウッドニュース

メジャー・レイザーのヒット曲「リーン・オン」にフィーチャリング・アーティストとして参加したことで一躍脚光を浴びる。
Cold Water (feat. Justin Bieber & MØ)

 

カミカゼ? カミカシって歌ってるけど曲名はカミカゼと読むらしい。
メジャー・レイザーのプロデューサーでもあるディプロ(Diplodocus)がプロデュースした曲。史上最強のEDMプロデューサーと呼ばれてるらしい。ほんとプロデューサーによって違ってくるんだなぁと改めて思う。

MØ – Kamikaze (Official Video)

 

聴き流すつもりで聴いてたのが今年のブラジルでのフェスティバル。
後半あたりからひきこまれ、気がついたら感動して胸が熱くなって涙が流れてた。
会場での一体感がどんなものなのかが結構ダイレクトに伝わってくる。

MØ LIVE @ Lollapalooza Festival 2017 Brasil *FULL SHOW*

彼女の歌はハートに直接語りかけてくる。
双方の抱きしめられるような感覚に満たされていく。

もう一度観たくなる。
最初からもう観客はムー大好きアピールができあがってて
あふれるほどの気持ちが彼女に注がれている。

観客との一体感。
ミュージシャンにとって一番幸せ瞬間なんだろうなぁと思う。
こんな場面をYoutubeからでも観ることができて嬉しかった。

天からの贈りものとはこういうことを言うのかもしれない。
思わず受け取る感動。

感動って自分でどうにかできることじゃないんだなって。
そんな場面を見出したのはそれまでの自分の取捨選択してきた結果ではあっても、
感動したい動機も期待もないところから突然降って湧いてくる。
想像も願いも超えてやってくる。
まるで贈りもの、奇跡だ。

天からのおくりものは降ってくるものだと思った。

だから、生きてるとき生きていれば、突然そんな瞬間に出会うことがある。
自分の想像を超えてやってくるものなんだと思う。

それにしてもこのフェスティバル、
ブラジルの子たちが若くてまっすぐで見ていて気持ちがいい。

やっぱり観客によってステージって違ってくるんだろう。
たぶん二度と同じライブに出会うことは無いんだと思う。
一期一会。ライブは生き物なんだね。

たとえばこのドイツのライブ。
MØ LIVE @ Melt! Festival 2017 Germany *FULL SHOW*

 

洗練されててとてもステキでいいんだけど、
ブラジルでの一体感のようなエネルギーはあまり感じられない。
(見えにくいとか伝わりにくいのかもしれないけど)
日本での公演もこんな感じになるんだろうなぁと思う。

アルバムは『No Mythologies to Follow』を2014年にリリース。
セカンド・アルバムが待ち遠しい。

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カテゴリー: lifeshot

2017年春のドラマ


『ひよっこ』(有村架純)
まだ終わってない。かなり久しぶりにおもしろい。
涙ぐむシーンじゃないはずなのにと思いつつ涙ぐんでしまう場面に結構出くわしてしまって慌てる。

・「ツバキ文具店」~鎌倉代書屋物語~ (多部未華子)
とても面白かったのに、最後が残念な感じだった。
元は小説なのだそう。母親に会ってほしかったな。
手紙の代書屋の奥深さにうっとりしました。
「こころを込める」ということを思い出させてくれるドラマ。
丁寧に描かれていて他に類のないドラマだと思う。
主題歌「コトノハ」もすてき。

” もっと母の話を聞きたい気もした。
でも、同じくらい聞きたくない気もした ” というシーン。
まさにわたしもそうだった。
その複雑な気持ちに振り回され悩まされてきたし今もそう。
やっぱりそういうものなんだと思ってほっとした。
聞きたくない気持ちは怖さでもある。
もうこれ以上傷つきたくない防衛本能でもある。

生きてるうちに知ったほうがいいのだろうか、
子どもの頃は話したくても話せず、
会いたくても会えなかったけど、大人になって探して見つけて、
今なら電話すれば会話ができる。
教えてくれるかもしれないのに、
このまま聞かずにいていいのだろうかと考えることもある。

どんな食べ物が好きなのか、どんな出来事にどう反応するのか、
いろんな考え方、言動、何も知らずにきている。

知りたいのに知ることができなかった時間の積み重ねは、
がんばってきた積み重ねでもある。
それが砕かれそうな気がして怖い。
知らずにすんだことだってあるだろう。

聞いても聞かなくてもどちらを選択しても、
取り返しのきかない結果に恐怖で身がすくむ。

引き離された年月の中、初めに心を預けた継母から受けたことで
心身とも憔悴し、人を信じることができなくなってしまっている。
ネガティブな反応に対する心の余裕はもう無い。

失われた年月はやはり取り戻すことなどできない。

もう そっとしていてほしい。

小学生のころ、母親がいないときに限って
母のことを絵に書けというような授業が苦しめたのと同じように、

今は 毎年「母の日」というお祭り騒ぎで世間が湧き上がる。
いい加減にしてほしいなぁ。

 

・「母になる」(沢尻エリカ)

こちらも面白かったけど不完全燃焼な後味だった。

以下は観たんだけど なんだかなだった。

・「ボク、運命の人です」(亀梨和也)
・「女囚セブン」(剛力彩芽)
・「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」(観月ありさ)
・『人は見た目が100%』(桐谷美玲)

カテゴリー: book

ジョージ・オーウェル『1984』を読んで – ディストピアへようこそ


ジョージ・オーウェルという名はこれまで何度か目にしていた。
ブレイディ・ミカコさんのブログだったかよく覚えていないのだけど、
最近またその名をあちこちで目にするようになった。

トランプ政権になった今年1月、アメリカでベストセラーになったそうだ。
国内でもこの本が話題にのぼっている。
この本に書かれていることがリアルに迫ってくるらしい。

今日 「共謀罪」が強行採決されてしまった。
国民から強く反発される法案は強行採決されるのがデフォルトなんだろうか。
これ独裁政治じゃなくてなんだろう。

ディストピアへの扉が開かれたような絶望感に打ちひしがれる。

閑話休題

『1984』引きよせられた文章

”民衆は弱く、卑屈な人種であって自由に耐えられないし、
真理を直視し得ないからより強力な集団によって支配し、組織的にだまされねばならない。”

だいぶ前に読んだユダヤ商法について似たようなことが書かれてたのを思い出した。
ゲームや娯楽を与えて夢中にさせて主体性を奪えば洗脳が容易いというような話しだった。
ヒットラーも似たようなことを「我が闘争」に書いてた気もする。

”新石器時代の末期以降、世界には上層、中層、下層と三種類の人間が存在した。
上層の目的は現状維持であり、中層の目的は上と入れ替わることだ。
人口の85%を占める下層、声なき民衆の目的は、差別の撤廃と平等であるが、
彼らは重労働で余りにも押しつぶされており、日常生活以外のことは
間歇的にしか意識できないというのが変わらぬ特性である。”

 

気になってきて ようやく読み始めた。

予想外の展開。飽きない描写。
蜘蛛の巣に引き寄せられ絡め取られるような感覚。

次にどうなるのか先が読めない。気になって仕方がない。
後回しにできることを段取りして無理矢理時間を作るようになった。

やがてその面白さは急に変化して硬直してしまう。
読者がではなく、内容が硬直してしまう。

それまでの話しは長いプロローグだったことに気づいて
ホラーの世界かと思うような別次元に取り込まれて動きが取れなくなる。

辛くて読みたくなくなる世界が続く。
いつ終わるか知れない蟻地獄。
うんざりするけどここまで来たら最後まで、
どんなオチがくるのか見届けたい一心で読み進む。

読みたくないけど早く読み切ってしまいたい衝動に突き動かされる。

たぶん途中で読むのを投げ出してしまう人は、いないと思う。
途中で止めたら嫌な後味がずっと残り続けてしまうだろうと思うから。

これって50年も前に書かれたものなのかと驚いた。
ジョージ・オーウェルは 1950年46歳の若さで、
この本を最後に書き上げてまもなく亡くなってしまう。
主人公の咳が止まらない描写って本人のことだった。

独裁政治 ディストピア。
あり得る、できそうな世界。
むしろこんな世界に進んでいるのかも、
既にこんな世界に近いかもしれないと思えてゾッとしてくる。
そういえばこんなことあんなこともと思えて
背筋が寒くなるのが止まらない。

この世界と重なって息苦しくなる。本当にリアルに。

3.11で世界観がガラリと変わってしまってから
余計リアルに思えるディストピアの世界。
ずうっと昔から国民は騙され続けてきたんだろうか。

被害者より加害者が守られるような社会。
やったもの勝ち、弱肉強食の世界。

本の内容の具体的な感想としては、
初めのうちジュリアはウィンストンにとって
ハニートラップなんじゃないかとハラハラした。
その描写だけなんだかそれはできすぎたファンタジーみたいに思えた。

後半のひとりの囚人にかかりきり拷問して洗脳するしつこさに辟易しつつ、
コストパフォーマンスがあまりにも現実的ではないんだけど、
「洗脳する側が信じる世界観」からすればそんな狂気もあり得るのでしょう。
狂気に突っ走った宗教団体のように。
権力で封じ込めようとするパワハラと同じように。

支配する側が最後に追い詰められ怖れるのが目に見えない魂領域だからこそ、
洗脳されたのを確認してから殺すという凄まじさに圧倒された。

それにしても、読み終えたとき ぐったりと疲れた。

疲れたけどなるほどこの本、読んでよかったと思う。
これからもこの本に載っている言葉がいろんな場所で使われるのだろう。
この本からの言葉だと気づけるのがちょっと嬉しいかも。

「二足す二は五」
「二重思考」
「思想犯罪」
「二分間憎悪」

「戦争は平和」
「自由は隷属」
「無知は強さ」

「ビッグ・ブラザーがあなたを見ている」

3.11前後、そして
オリンピック前後と言われる時代が訪れるのかもしれない。

カテゴリー: lifeshot

2017年1月〜3月期 見たドラマ 「カルテット」がおもしろかった


「カルテット」「増山超能力師事務所」「真昼の悪魔」「A LIFE~愛しき人~」
「嫌われる勇気」「べっぴんさん」「火花」

「カルテット」(松たか子主演)

一番面白かったドラマ。
すずめちゃん役の満島ひかりさん、キュートでとてもかわいかった。

先が見えない意表を突く展開がおもしろい。

オシャレでハイソで憧れの対象で羨ましくて
非日常的なイメージがどんどん崩れていく意外さ。

とっつきにくい感じの4人に見えてたのに、
会話や反応などからだんだん親しみやすい友人みたいな存在になっている。

声が小さい上品そうなマダムを演じる松たか子さん。
殺人者、夫に振られて逃げられた妻、
殺人者となった夫を匿い一緒に逃げる共犯者、
実は戸籍を買った誰かの成りすましだったとかもう、
くるくる変化してどこに行き着くのか彼女は一体何者なんだとか、
ドキドキの連続だったのである。

設定の背景こそ非日常的だけど、たった四人が繰り広げる
世界とコミュニケーションの変化を見てるだけなんだなあ。

結構人間ドラマの心象風景がえぐいというか、深かったし。

やっぱりぐいぐい引き寄せられるのは、
内容と役者によるとしみじみ思う。

そのドラマを選ぶのは、まず簡単なあらすじから
興味のあるものかどうかと、どんな役者かということ。
好きじゃない人が主演だと内容はどうでもよくなってしまい選択外となる。

あそうそう、真紀の夫(宮藤官九郎っていうのが意外だった)のことを、
「夫さん」と呼ぶ呼び方いいなって思った。

それにしても、お金をかけ続けて演奏家になっても、
食べていけるんだろうか生活できるんだろうかどうなんだろうって思った。

もし経済的に許された環境だったら、ずっと楽器演奏できることがやりたかった。
そうじゃなくても音楽に携わる仕事がしたかった。
叶わなかった気持ちを思い出させられてキュンとしたドラマだった。

印象に残った言葉

『音楽っていうのはドーナッツの穴のようなものだ。
何かが欠けた奴が奏でるから音楽になるんだよね』

画像 http://www.tbs.co.jp/quartet2017/cast/ より

 

他は、
「増山超能力師事務所」(田中直樹 主演)
娯楽として面白かった。

「真昼の悪魔」(田中麗奈 主演)
最後から2/3位がクライマックスだっただろうか、怖かった。ホラー?
でも、誰にでもある心のどこかにあるものを
大げさに表現したらこうなるかもッ!

そういえば原作者の遠藤周作ってこんな小説だったと思った。
小学か中学あたりに読んだっきりでよく覚えてない。

記憶が曖昧なので気になってwikipedia読んだら、
随分身体が弱かったと知って驚いた(とはいえ73歳まで生きられたらしい)。
「真昼の悪魔」は1980年の作品だった。
読んだ本を思い出せるかと作品名を見ても全然思い出せなかった。
あんまり印象に残らなかったか、数冊貪って読んだのかもしれない。
田中麗奈さんはこの本をドラマ化するの?!と驚いたそうだ。
この方もピッタリはまり役だったと思う。

「A LIFE~愛しき人~」(木村拓哉主演)
最後は想像通りだったけどついつい最後まで観てしまった。
手術で使われる人体が実際のと変わらない精密な作りでドラマ指導の医師が驚いたそう。
やっぱり病気からどんな手術するか気になってそれが面白かった。

「嫌われる勇気」(香里奈主演)
アドラーの心理に惹きつけられて観たんだけど、
香里奈さんもう少し表情あったら良かったのに。うーん。

「べっぴんさん」(芳根京子主演)
アパレルメーカーファミリア創業者のひとり坂野惇子さんがモデルなのだそう。
戦後すぐの時代背景、その時代の人達と空気をどう表現するんだろうと思った。

芳根京子さんが瑞々しくておっとりした雰囲気に好感持てたけど、
全体的に特に後半から消化不良になってしまった感がある。

「火花」(林遣都主演 原作:又吉直樹)
キャスト:林遣都、波岡一喜、好井まさお、村田秀亮、門脇麦
〜あらすじ〜
売れない芸人が天才肌の芸人と出会い、弟子になって伝記を書きながら仲を深めていく。

原作読んでない。まだ終わってない。
このドラマは男性向けかもしれない。
観て楽しいものでもなく、原作読みたいという気にはならない。

カテゴリー: lifeshot, movie

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』観た


映画のエンドロールがあるという有り難さを初めて思い知った。
エンドロールは余韻に浸りつつ日常の状態に戻していくはからいなのだったのだなと。

しばらく呆然として感動の渦から、なかなか抜け出せなかった。

スターウォーズの映画の中で一番感動したかもしれない。
様々な宇宙機材やら宇宙人やらビジュアルが面白いけど、
感動するということはそういえば期待してなかったと気づいた。

昨年の映画スターウォーズ7『フォースの覚醒』は、ハンソロのキレやすい息子の描写はコミカルさもあって可笑しくて愉しかったし。
クオリティの高い娯楽映画という位置づけだったと思う。

でも今回は 一瞬一瞬目が離せず緊張感が保たれたまま、次の作品への流れを時折思い出しながらなんとも言えない感慨深さの中で、まさにジェダイの騎士が生まれていく歴史を知っていく満足感に浸った。

思いもかけぬ衝撃のラストに、頭と感情がついていかず余韻の時間が無いと日常に戻れなかった。
こんな体験は初めてだった。

(画像: https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01M6XV6PL/rutty07z-22/ref=nosim/ より)